Healthcare Rehabilitation

理学療法士

理学療法士の仕事内容、日本で資格制度がどう定められているか、養成校から国家試験までの道筋と、働く前に知っておきたい現実をまとめる。

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一言で

理学療法士の仕事内容、日本で資格制度がどう定められているか、養成校から国家試験までの道筋と、働く前に知っておきたい現実をまとめる。

キャリアシグナル

この職業に入るとき、何が先に見られるか

学位
必須
ポートフォリオ
低い
資格
とても高い
インターン
高い
参入障壁
高い
採用の勢い
急増
AIの影響
低い

最初の一歩はこう

免許取得後、病院やリハビリセンターの新人セラピストとして始めます。

手術の翌日、病室に最初に入るのが理学療法士だ

人工膝関節の手術を受けた患者が初めてベッドから立ち上がるとき、体重を支えながら「今日はここまで曲げてみましょう」と声をかけるのが理学療法士である。脳卒中で片側の手足が動かなくなった人には数か月をかけて歩行を教え直し、肩を痛めたアスリートには復帰までの運動段階を組み立てる。手術と薬の役割が終わったところから、この仕事は始まる。

仕事の中心は、身体を直接見て触れて評価することにある。関節がどこまで動くか、どの筋が弱っているか、歩行がなぜ不安定なのかを測り、運動療法、徒手療法、温熱や電気刺激といった物理療法を組み合わせて計画を立てる。日本では理学療法士及び作業療法士法により、理学療法は医師の指示の下に行う業務と定められており、診断を下すことや単独で治療施設を開くことは業務の範囲に含まれない。

なぜ今、日本で理学療法士の働き方が問われているのか

理学療法士は1965年制定の理学療法士及び作業療法士法に基づく国家資格である。高齢化とともに回復期リハビリテーション病棟や介護保険サービスが広がり、病院の外でも通所リハビリや訪問リハビリで働く理学療法士が増えた。働く場所は、急性期病院、回復期病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、スポーツチーム、行政の地域包括ケア事業など多岐にわたる。

一方で、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」理学療法士・作業療法士分科会は2019年に、将来の供給が需要を上回るとの推計を示した。養成校の数が増え続けたことが背景として挙げられている。人手不足の職種として一括りに語られがちだが、資格を取れば自動的に働く場所が確保される状況ではないという公的な見立てがある点は、進路を考えるうえで押さえておくべき事実である。

どんな人に向いているか

  • 身体を使う仕事を厭わない人。患者を支え、起こし、一日の大半を立って過ごす。
  • 一人の患者の変化を数週間、数か月の単位で見届けることにやりがいを感じる人。
  • 解剖学や運動学を暗記で終わらせず、目の前の身体に当てはめて考えることが好きな人。
  • 患者、家族、医師、看護師、介護職の間で言葉を橋渡しし、調整する役割に疲れない人。

どうすれば理学療法士になれるか

  • 文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成校で3年以上学ぶ。専門学校、短期大学、大学のいずれの課程でも受験資格が得られる。
  • 在学中に病院や施設での臨床実習が必修として組み込まれており、この期間の経験が最初の就職先を決めることが多い。
  • 厚生労働省が実施する理学療法士国家試験に合格し、免許を受ける。
  • 資格取得後は、日本理学療法士協会が運営する認定理学療法士・専門理学療法士の制度がある。これは法律上の資格ではなく協会の民間認証であり、専門性を積み上げる道筋として位置づけられている。
  • 大学院に進み、研究や教育に方向を変える道もある。

現実として知っておくこと

  • 国家試験は入口にすぎず、その後の数年は実習生に近い立場で学び直す期間になる。病院の規模や診療科によって、身につく内容の幅は大きく異なる。
  • 腰と手首が先に疲れる。患者を移乗させ支える動作の繰り返しで、治療者自身が筋骨格系の問題を抱えることは珍しくない。
  • 医師の指示の下で働く構造のため、治療方針を自分で決められないことに不自由さを感じる人がいる。
  • 厚生労働省の分科会が供給過多を推計している以上、勤務地や領域によっては就職や待遇の条件が厳しくなる可能性を織り込んでおく必要がある。

詳細キャリアレポート

この職業、本気で目指すなら

こんな人に向いてる

  • 患者を支え、起こし、一日中立ったまま動き続ける仕事に身体がついていく人
  • 一人の歩行や関節の角度が数週間、数か月かけて少しずつ変わっていくのを記録して見守ることにやりがいを感じる人
  • 解剖学と運動学の知識を目の前の身体に当てて、なぜこの動きがぶれるのかを考えるのが好きな人
  • 患者、家族、医師、看護師の間を行き来して、同じ内容を相手に合わせて言い換えることに疲れない人

覚悟しておくこと

  • !腰と手首が先に疲れる。患者の移乗や支持を繰り返すため、治療者自身が筋骨格系の問題を抱えることが珍しくない
  • !理学療法士及び作業療法士法により、医師の指示の下で行う仕事と定められている。診断や単独での開業は業務範囲の外にある
  • !養成校の増加で有資格者は増え続けており、就職先の選択肢はあっても、施設や地域によって学べる内容の幅に大きな差がある
  • !診療報酬の単位制の中で働くため、一人の患者にかけられる時間は制度で決まる。理想の治療と現場の枠のずれに悩む人がいる

段階別 準備ロードマップ

中高生のうちに

  • 生物で習う筋肉や骨の名前を、自分の腕や脚を触りながら覚える。肘を曲げたときどの筋肉が硬くなるかを確かめる
  • 身近に手術やリハビリを経験した人がいれば、リハビリ室で具体的に何をしたかを聞いてみる
  • オープンキャンパスで理学療法学科の実習室を見学し、教員か学生に一日の実習の流れを聞く

大学・初期

  • 解剖学実習で学んだ構造を、その日の夜に同級生の身体で触診してみる。骨のランドマークを手で探す練習を毎週繰り返す
  • 臨床実習の配属前に、神経、運動器、小児、呼吸循環のどの分野の施設に行きたいかを決め、その分野の先輩に実習の一日を聞く
  • 国家試験の過去問を毎学期解き、間違えた問題は解剖学や運動学の教科書に戻って確認する
  • 関節可動域をゴニオメーターで測る練習を友人と互いに行い、二人の測定値がどれだけずれるかを記録する

就職準備

  • 最初の職場を選ぶとき、規模より、どの疾患の患者を主に見るのか、先輩理学療法士が何人いて新人教育があるかを先に聞く
  • 患者の移乗や支持で腰ではなく脚を使う姿勢を初月から身体に覚えさせる。先輩の移乗を見てそのまま真似する
  • 免許取得後、日本理学療法士協会の登録理学療法士制度の前期研修に早めに登録し、担当している患者群に合う分野の研修から受け始める

おすすめの専攻・分野

理学療法学科リハビリテーション学科健康科学部 運動科学スポーツ科学部

資格・試験・ポートフォリオ

理学療法士国家試験 合格(厚生労働大臣免許)日本理学療法士協会 登録理学療法士日本理学療法士協会 認定理学療法士 / 専門理学療法士3学会合同呼吸療法認定士

伸ばすべき素養

資格の外で結果を分ける力、今から積めるもの

触って測る評価

関節がどこまで動くか、どの筋肉が弱ったか、なぜ歩行がぶれるかを測ることがすべての計画の出発点になる。画像検査が教えてくれないことを手と目で見つけなければならない。今できる練習は、友人の肩や膝をゴニオメーターで測り、相手にも自分を測ってもらい、二人の値の差を記録することだ。差が縮まるまで繰り返すと測定が手に馴染む。

運動負荷の段階づけ

術後翌日の患者に出す運動と6週後に出す運動は違う。いつ負荷を上げ、いつ止めるかを決めるのがこの仕事の判断力になる。今できる練習は、自分の運動を一つ選んで4週間の段階表を書き、どの時点で何を根拠に次の段階へ進むかを書き添えることだ。根拠を書けないなら、その段階はまだ理解できていない。

患者への声かけと誘導

「ここまでで止めてください」の一言が患者の不安を下げ、動きを変える。どれだけ良い計画でも患者が家でやらなければ意味がないので、短くわかりやすい言葉で動きを導く力が治療の効果を左右する。今できる練習は、家族にスクワットや肩回しを専門用語なしで三文で説明し、相手がそのとおりにできるかを見ることだ。できなければ説明を直してもう一度やる。

医師と看護師への申し送り

医師の指示の下で働く構造なので、患者の状態を正確に伝えることで指示が変わり、治療の方向も変わる。今日は膝が何度多く曲がり、歩行のどこが変わったかを短く伝える力が、そのまま理学療法士の影響力になる。今できる練習は、運動や実習の後に、何をしたか、どう変わったか、次に何が必要かを三行で書く習慣をつけることだ。この三行は後の診療記録と同じ形をしている。

現実のアドバイス

難しさは知識より身体と制度にある。国家試験は入口にすぎず、最初の数年は実習生のように学び直す時間で、施設の規模や診療科によって学べる幅は大きく変わる。人を辞めさせるのは、移乗や支持の繰り返しで先に痛む腰と手首、そして診療報酬の単位の中で一人の患者にかけられる時間が決まってしまう窮屈さである。医師の指示の下で行う仕事と法で定められているため、治療の方向を自分で決めきれない場面も多い。長く続ける人は、初めの職場で身体の使い方を覚え、日本理学療法士協会の登録理学療法士制度や認定分野で一つの領域を深め、病院、訪問、介護のどこが自分の場所かを早めに見極めている。

まず読む本

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タグ

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さあ、始めよう!

上で紹介した人たちも、みんな君と同じところからスタートしたんだ。今日、一つだけやってみよう!

君ならできる!ここに出てくる人たちも最初は何も知らなかった。