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採用より育成へ、社内の人材をFDEに転換する道筋

日立は26年度末までに国内FDEを1000人に、韓国KTはAX部門の500人以上を2年でFDEに育てる。採用だけでは足りない人材を社内で作る流れで、問われるのはコードより業種と業務の理解だ。

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成長見通し 成長中
需要 非常に高い
出典・参考 (8)

最終更新: 2026-01-30

採用だけでは追いつかず、社内の人材を転換し始めた

日経クロステックは8月17日、IT大手4社が2026年7月から8月上旬に開いた決算会見で、FDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)をめぐる各社の戦略の方向性が見えてきたと報じた。顧客企業に入り込んでシステム開発やAI実装を担うFDEを、獲得し、育成する動きだ。4社は富士通、日立、NEC、NTTデータで、見出しには「脱・人月へ」とある。人月単価で工数を積み上げる受託の商売から離れる手段として、FDEが語られている。日経によれば、日立は26年4〜6月期決算で、26年度末までに国内FDEを1000人に増やす計画を示した。

韓国でも同じ方向の動きがある。朝鮮ビズは8月17日、業界筋の話として、KTが今後2年間でAX(AI転換)事業部門の構成員500人以上をFDEに育成する計画だと伝えた。記事が描くFDEは、顧客企業の業務構造と課題をつかみ、AI、データ、クラウドの技術を組み合わせて解決策を実装する技術者だ。提案で終わらず、システム構築、運用、高度化までを担う。対象は新たに採る人ではなく、すでに部門にいる人だ。

求人の伸びは急だ。求人サイトIndeedがBusiness Insiderに提供した指数では、2026年4月のFDE求人は2025年1月の水準を5,230%上回った。求人件数そのものではなく、2025年1月を基準にした指数だ。韓国のソフトウェア政策研究所(SPRi)が9月11日に出した報告書は、需給の数字を並べている。韓国銀行の推計では、韓国のAI人材は2010年から2024年まで年平均5.3%の増加にとどまった。同じ報告書が引用したJobKoreaの分析では、AI関連の求人が2021年から5年間で112%増えた。報告書は、新卒の輩出だけでは短期間にこの差を埋められないとみる。そのうえで、業種の専門性をすでに持つ在職者にAI転換の力を加える経路を、最も速く費用対効果の高い供給手段に挙げた。現場経験で積み上がる暗黙知は研修ですぐには身につかないが、AIを使い、調整する力は比較的短い集中研修と実践で習得できる。この非対称性が根拠だ。

診断は業種、技術、ソリューションの三つから始まる

KTはまずAX事業部門の構成員を対象に、業種、技術、ソリューションの能力を診断した。その結果をもとに個人別のキャリア開発経路(CDP)を設計し、研修、プロジェクト参加、資格認定をつなげる。実際の事業に近いシナリオ演習、OJT、専門家によるメンタリングを通じて、課題定義から最小限の製品(MVP)づくり、顧客への提案までを経験させる方針だ。背景には、AI技術の水準が横並びになり、技術を持っているかより、業種を理解して実際の成果を出す力が重要になったという判断がある。

三つのうちどこが空いているかは、経歴によって違う。SIerの開発現場から来たエンジニアは技術の欄が埋まっていても、顧客の業務を最初から最後まで追った経験は薄くなりがちだ。提案やコンサルティングをしてきた人は業種の欄が厚く、自分で作って配備する欄が空く。SPRiがまとめたFDEの中核能力は、その両方を一人に求める。課題の定義と解決、データ分析、AIとソフトウェアの理解と開発、業種と業務の理解、コミュニケーションだ。

エージェントに実行を任せる段階で、加わる能力もある。報告書は、在職者向けの研修がプロンプト作成のような基礎で止まってはいけないとする。AIエージェントへの業務の委任、権限とポリシーの設計、複数エージェントの調整、成果物のレビューと責任までを扱うべきだという。演習には、社内のデータやシステムをエージェントにつなぎ、業務手順を仕様に書き起こす作業を入れるよう提案している。毎日使う社内システムの権限構造を説明できる人は、ここで一歩先を行く。

海外では業種ごとにFDE組織を分けて人を探す企業もある。Databricksが募集中の、金融業界の顧客を担当するFDE組織のシニア・エンゲージメント・マネージャーは、プロフェッショナルサービス事業の運営経験7〜10年と、顧客対応の上級職での経験10年以上を求めている。

研修を一周したら、次は顧客先のスクワッドに入る

転換の最初の区間は研修だ。シナリオ演習とメンタリングで、課題定義からMVPまでを一周する。次が現場になる。KTは業種と業務の専門家、AIとデータとクラウドの人材を一つのスクワッドにまとめて投入する。データの持ち出しがセキュリティ上難しい大学病院のような現場で、実データを使って解決策を設計し、現場での検証とサービス開発まで進める構想だ。この編成なら、最初からすべての欄を埋める必要はない。強い欄を持ってスクワッドに入り、弱い欄は同じチームの中で補えばいい。その先には、一つの顧客アカウントをスクワッド単位で最後まで受け持つ役割がある。

弱点は、転換した力をどう証明するかだ。SPRiが引用した韓国の採用プラットフォームWanted Labの調査では、企業がAI人材を採用するときに最も苦労する点として、正確な能力検証の難しさが57.9%を占めた。SPRiは、実際のプロジェクトと成果物で評価し、レベル別の認証を組み合わせる検証体系を提案したが、まだ提案の段階だ。それが整うまで転換の実績を示す材料は、自分で作ったMVP、顧客に出した提案書、そしてそれが本番運用までたどり着いたかの記録くらいしかない。

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#software-engineer #forward-deployed-engineer #reskilling #it-services

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