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アマル・クルーニー

アマル・クルーニー

Amal Clooney

イギリス | 1978年生まれ

英国のレバノン系移民家庭に育ち、オックスフォード大学の法学課程をトップの成績で卒業した。人権擁護に取り組んでいる。

""Law is not just about winning cases; it's about justice." (BBC interview)"

彼らの物語

こんな場面を思い浮かべてみてほしい。古い本と雨にぬれたコートのにおいがかすかに漂う廊下に、若い女性が立っている。書類の入ったフォルダーを握る手は、指の関節が白くなるほど力が入っている。建物の外では、戦争や難民、誰の声に耳を傾けるべきかをめぐって議論が続いている。その内側で、彼女はある危うい力の使い方を学んでいる。言葉を慎重に選び、人の命を守るという力だ。

アマル・クルーニーは、レバノンからイギリスに移り住んだ家族のもとで育つ。一から生活を築き直すことの意味を知る家族だ。学校で彼女が目指したのは、誰よりも大きな声を出すことではなく、誰よりも明確に伝えること。ディベートで優勝し、まだ曖昧な考えを、説得力のある主張へと練り上げられる生徒になる。でも、優秀だからといってプレッシャーがなくなるわけではない。ここにいていいのだと、毎日証明し続けることを求められたら、どんな気持ちになるだろう。

オックスフォード大学では、霧の中でランタンの明かりを追うように、一心に法律を学ぶ。最上位の成績にあたる第一級優等学位を取得して卒業するけれど、そこから何もかもうまくいくわけではない。国際社会で正義を実現しようとする仕事は、教室で解く問題のようにすっきりとは片づかない。複雑で、政治に左右され、ときには残酷でもある。

そして、転機が訪れる。9.11の後、彼女は国連の法廷で働くようになる。夜遅くまで事件の記録を読み続ける姿を想像してみてほしい。テロや権力が、ごく普通の人々の暮らしにどんな影響を及ぼすのかを学んでいく。ここで、夢は使命に変わる。彼女は人権を守る法律の仕事へと踏み出す。勝てる保証はなく、敗れれば胸が張り裂けそうになることもある世界だ。

実際、彼女も敗れる。人の人生を左右する裁判が、祈ったとおりの結末を迎えるとは限らない。やるべきことはすべてやった。それでも、結果に深く傷つきながら法廷を後にする。その気持ちを想像できるだろうか。そこで諦めてしまう人も多いだろう。けれど、アマルは続ける。彼女が弁護を引き受けるのは、本人の声が聞かれるよりも、その人をめぐる議論ばかりが先行してしまう人たちだ。ジュリアン・アサンジ、そして想像を絶する傷を抱えたヤジディ教徒の被害者たち。やがて国連の報道の自由に関する特使となり、さまざまな声が飛び交う危険な時代に、真実が消されないよう闘う。

そんな歩みの中で、彼女にはぶれない指針がある。「法律は、ただ裁判に勝つためのものではありません。正義を実現するためのものです」。その言葉の優しさの奥には、鋼のような強さが感じられる。さまざまな言語で資料を読み、入念に準備を重ね、家族と過ごす。それが彼女の日々だ。闘う人にだって、帰る場所は必要なのだから。

では、進路を考えるみんなは、彼女の歩みから何を学べるだろう。あなたの声には意味がある。震える声なら、なおさらだ。失敗したからといって、挑戦する資格を失うわけではない。失敗は、あなたを鍛えてくれる。そして、自分一人のことにとどまらない何かに心を引かれるなら、彼女の助言を思い出してほしい。「人権を守りたい。その情熱に従って進んでください」。世界には、目をそらさずに考え続ける勇気を持った人が必要なのだ。

学生へのアドバイス

"人権を守りたい。その情熱に従って進んでください。"

主な実績

ジュリアン・アサンジとヤジディ教徒の被害者を代理し、報道の自由を担当する国連特使に就任